小田原市環境ボランティア協会の機関誌「エコポスト」②
混ぜればごみ、分ければ資源。そしてそれをするのが、イカシテイル人間。
大切な良い言葉だと思います。
特集 生ごみは蘇える(先進事例に学ぶ)② (6回シリーズ)
家庭倫理の会小田原 岩見さん
山形県長井市は人口約32,000人、会社や商店を中心にする「町」の5000世帯の生ごみがほぼ100%堆肥になっています。町と村の支え合いです。以前は年間1500トンの生ごみが、1トン3万円で燃やされていた。しかし今は堆肥として1トン4200円、10キログラム袋242円と安価で売られ大人気です。生ごみは家畜の御馳走でもあるので、足りない状態であり、嬉しい悲鳴です。
全ての生き物たちは、土によって生かされています。土には虫や小動物が沢山いて、そのいのちの世界を繋いでいますが、土1グラム中に数億いる微生物(山の神様)が醗酵(腐るのではない)により堆肥を作ります。化学肥料では虫も微生物も生きられず、弱い土から弱い作物を作るだけです。農薬を使えばさらに土は弱ります。弱い作物を食べて、強い人間には決してなれません。
レインボープラン構想は1988年に3人の男たちからスタートしました。生ごみを通じてこの町をよくすることを目的とした活動です。人間が働かないと生ごみを土に戻せません。この活動には女性の力が不可欠でした、家族の健康や食べ物のこと、環境、いのちのことをいつも心配りしてくれていたから、すぐ理解し協力してくれました。
92年に市役所にレインボープラン推進委員会を設立。96年念願のコンポストセンターが完成しました。99年「レインボープラン農作物確認制度」がスタートしました。安全、栄養、鮮度、おいしさ。これこそ正に本物の「地産地消」の完成。そして、生ごみは土だけでなく、人々の心までも豊かに潤わせたのです。(心田開発)
2008年2月11日、菅野さんは小田原で言いました。「希望は自分で、あるいはみんなで努力して作りだすもの。小田原の実践に期待します。土はいのち!!」
(参考図書 「生ゴミはよみがえる」菅野 芳秀著)