お金よりも「カープ愛」、40歳黒田投手の男気
パドレスの1800万ドル(約21億6000万円)を提示を断り、
年俸4億円プラス出来高払いの1年契約で広島と合意した。
2015年(平成27年)日本にはこのような心豊かな人物が、
次々現れる予感がしてなりません。
2014年12月29日
2007年にFAでメジャーに渡った黒田博樹投手が広島に復帰。
「カープ愛」を誓った男が戻り、2015年の広島は24年ぶりの優勝も(写真:スポーツニッポン)
獲得を発表した。
メジャー7年間の通算成績が79勝79敗、防御率3.45、
2015年の2月に40歳を迎えるとはいえ、メジャーで激しい争奪戦が繰り広げられていた。
3年間在籍したヤンキースが再契約を強く望んだのをはじめ、
2008年から4年間プレーしたドジャース、パドレスなどが獲得に乗り出していた。
中で もパドレスは今季ヤンキースでの年俸1600万ドル(約19億2000万円)を上回る
1800万ドル(約21億6000万円)を提示したと言われる。
広島と合意したのは年俸4億円プラス出来高払いの1年契約。
広島としては球団史上最高条件だが、パドレスの5分の1ほどの条件で
8年ぶりに古巣へ復帰することになる。
主力選手の相次ぐ流失で戦力は低下。1998年から15年連続Bクラスに沈んだ。
だが、地道なドラフト戦略が実を結んで投手では前田健太、大瀬良大地、
野手では菊池涼介、丸佳浩らが成長。
日本でプレーした経験のある駐米スカウト、エリック・シュールストロムの見立てによる
外国人選手も「当たり」が続き、 2013年から2年連続で3位に入った。
メジャー移籍が注目された前田健太も今オフはポスティング・システム(入札制度)の
利用を封印して残留決定。24年ぶりの優勝に向け、「恩返し」のタイミングはまさに「今でしょ」、
だったのである。
前田健太と両輪となる戦力としてはもちろん、
緒方孝市新監督が「選手たちのモチベーションも上がり、
チームにとっていい相乗効果が生まれると思う」と話し ているように、
起爆剤としての存在感、ファンに与える期待感は計り知れない。
フロントとしては黒田が以前つけていた背番号15を誰にも与えず、
空けて待っ ていた甲斐があった。
「カープ女子」に代表されるフレッシュなイメージに、
メジャーの巨額オファーを蹴って古巣へ恩返しという「男気」が加わる来季の広島。
日米通算200勝まであと18勝に迫る凱旋エースを中心に、
セ・リーグの主役に躍り出る予感がする。