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健康コラム

朝食断食の健康法 前編

名医が解説。「ちょい空腹」で排泄力と免疫力アップ!

日本には「腹八分に病なし、腹十二分に医者足らず」という格言が残されているそうです。糖尿病、高血圧、高脂血症から心筋梗塞、脳梗塞、ガン…世の中に蔓延している病気の正体は実は「食べすぎ」にあった? あなたの体の不調にも「空腹」がきっと効くはず。そして新刊『ちょい空腹がもたらすすごい力』(著:石原結實)より、前後編で紹介していきます。

①排泄力アップ

 食べない(断食をする、空腹になる)と便の出が悪くなる、と一般的には思われているようです。

 しかし、実は「食べない」ことで、大・小便の排泄はむしろよくなります。

「食べる」と飲食物の消化のために、胃や小腸に血液が集まります。そのため、排泄臓器の大腸・直腸・腎臓・膀胱への血流は減少し、それらの臓器の力が低下して排泄が悪くなるのです。

 逆に「食べない」と、胃や小腸への血流が少なくてよい分、排泄臓器への血流がよくなって、大・小便の排泄がよくなります。口から入れた飲食物は、胃・小腸で消化されて血液へ吸収され、血流とともに全身60兆個の細胞にさまざまな栄養素を供給します。細胞・組織・臓器の活動は、それらの栄養素を利用して行われることになります。その活動の結果できた老廃物は、血液に集まって、腎臓や肺に運ばれて、尿や呼気として排泄されます。

 この「消化・吸収→栄養素の利用→排泄」という一連の作業が、いわゆる「代謝」と呼ばれるものです。代謝が悪くなる時は最初に「排泄」の力が低下し、次に組織・臓器で栄養素を利用する力が低下します。その結果、脂肪などが蓄積されることになり、肥満につながっていきます。

 代謝のスタートとなる「消化・吸収」は衰えることが少ないので「代謝」が低下すると糖、脂肪、尿酸などが体内に蓄積して、高血糖(糖尿病)・高脂血症(から起こる動脈硬化、高血圧・脳梗塞・心筋梗塞などの血栓症)・高尿酸血症(痛風)などの「栄養過剰病=食べすぎ病」が引き起こされます。

 一方、代謝のゴールとなる排泄(排便・排尿・発汗)がよくなると、細胞・臓器での栄養素の利用も活発になります。すると、栄養過剰になりにくくなるので、食べすぎ病の予防につながります。

 つまり「断食」によって排泄がよくなると、代謝そのものがよくなるわけです。

②免疫力アップ

 免疫力という言葉は文字通り「疫(病気)を免れる力」のことであり、その働きの中心を担っているのが白血球です。白血球は血液1㎣中に5000~9000個存在し、いくつかの種類があります。

 30億年前に海の中に誕生したアメーバ様の単細胞生物が分化・分裂・増殖して、やがて多細胞生物になり、魚類→両生類→爬虫類→鳥類→哺乳類と進化しました。その頂点に我々人類がいます。

 始原生命(アメーバ様の単細胞生物)が原形を留めたまま、血液という海(血潮)の中を泳いでいるものが白血球といってよいでしょう。

 アメリカのオレゴン健康大学のN・ズーキック博士らは、
「18年間、30%のカロリー制限を行った〝空腹のアカゲザル〟は、普通食を与えられたアカゲザルに比べて年をとってもT細胞(リンパ球の一種)が高く、病気になりにくい」
と発表しています。

 最近は、免疫力の指標として、T細胞やB細胞などのリンパ球の働きがよく話題になります。しかし白血球の親玉(原始細胞)は、マクロファージです。

 そして、マクロファージ・好中球のバイ菌や老廃物、ガン細胞などの異物を貪食する力こそが、免疫力の基本の基本です。円形~楕だ円えん形をした白血球(直径7~20μ)は、体外からバイ菌やアレルゲンなどの有害物が侵入したり、体内で老廃物やガン細胞が発生すると、自分の体の形を変えて(偽足を作って)こうした有害物を取り込み(貪食)、殺菌・消化・処理します。

 私たちが満腹の時は、血液中に糖・タンパク・脂肪・ビタミン・ミネラル類などが存分に存在しているため、それを食べる白血球も満腹状態です。なので、外来のバイ菌、アレルゲン、体内で発生したガン細胞などの有害物を食べようとはしません。つまり、満腹の時は、免疫力が低下するのです。

 逆に我々が空腹の時は、血液中も栄養素が不足しているので、白血球も「空腹」になります。なので、バイ菌、アレルゲン、ガン細胞、老廃物などを、それこそ「むさぼり食う」わけです。

 つまり、免疫力は空腹の時に旺盛になります。

 我々動物が病気や怪我をすると食欲がなくなるのは、白血球を「空腹」にさせて「貪食力≒免疫力」を強くしようとするメカニズムが働くからです。本当に神様が用意してくれたとしか思えないほど、よくできた仕組みです。

 それにもかかわらず、一般の方はともかく、医師たちまでもが病気で食欲のない患者に「体力をつける必要があるから、無理にでも食べるように」と食べることを強要します。そして、それでも食べられない時は、点滴によって栄養を補給しようとします。

 これではせっかく病気を治そうとしている自然治癒力(免疫力)に水を差してしまうことになるのです。

『ちょい空腹がもたらすすごい力』(著:石原結實)より構成〉

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