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院長ブログ

第9回「シニアの学校」にて テーマ「健康長寿を目指す」その1

テーマ「健康長寿を目指す」今井公民館 R5928日(木)13時~14
お話 岩見正樹(鴨宮治療院院長・鍼灸師・カイロプラクター・キャンパスおだわら講師)

日本は1961年に開始された国民健康保険事業により、世界最高レベルの充実度を備えた保険制度を持つ国となりました。日本における医療制度の財源は、全てを保険料から賄っているわけではなく、国や都道府県からも税金を投入されています。日本は、医療費に対する公費の投入割合が、世界的に見ても比較的高い国家です。
しかし現実は、令和2年度、国民医療費は44兆2千億円。毎年1兆円ずつ増加すると言われ、このままでは、国民皆保険の維持は困難です「2025年問題」(国民の1/475歳以上・高齢者1人を2人で支える)

ドイツ・フランス・オランダなどヨーロッパ諸国の多くは、日本と同じ社会保険方式である国民皆保険制度が基本です。中国、韓国、台湾なども。

イギリスの医療制度は「NHS」と呼ばれており、国内の病院は全て国営、病院で働く専門医も全て公務員です。
国営医療体制を導入している各国では、全ての国民が基本的に無料で診療を受けられることが最も大きな特徴です。スウェーデン、ノルウェー、スペイン、カナダ、ブラジルなども。

アメリカは、医療費が高く保険未加入者も多い多くの現役世代は民間の医療保険に加入する以外には、医療保障を受ける手段がありません。しかし、全ての現役世代が医療保険に加入しているわけではなく、約5,000万人の国民は保険未加入者であるとのデータもあります。

デンマークの医療システムは2段階によって成り立つ。「家庭医」と「病院」。緊急の場合を除いて、病気や怪我をすると、まず家庭医に診てもらう。さらなる検査や治療が必要となれば、病院へ引き渡される、というのが大きな流れ。ただ、家庭医の診断はとても厳しい。なかなか薬を出してくれず、必要最低限の治療しか行わない。場合によっては、「3日も寝れば治る」と薬も出してもらえないこともあるんだとか。しかも歯科治療は例外で、全額自己負担

「医療費無料」と言うが、たしかにデンマークの医療制度に完ぺきではない。しかし、それにはいくつかの理由がある。まず、無料だからと患者が多すぎれば、いくら高税率だろうと財源がもたない。そこで、家庭医は患者の診察時に仕分けをして、財源の無駄遣いの歯止め役となっているのだ。それだけでなく、患者を効率的に治療するのにも有効である。

日本では、重症で緊急事態なのに診察に何時間も待たされることがよくある。それに対して、デンマークの場合、病院には軽い症状の患者は来ないため、迅速に効率よく診療ができるのだ

2007年に、スウェーデン(ストックホルム)の高齢者介護施設を見学。日本のように人工栄養で延命され,寝たきりになっている高齢者はいません。案内してくれた老年科医師は,「スウェーデンでも高齢者が食べられなくなると点滴や経管栄養を行っていましたが,ここ20年のうちに行わなくなりました。今は,点滴や経管栄養を行わず、自然な看取りをします。私の父もそうして亡くなりましたが、亡くなる数日前まで話すことができて、穏やかな最期でした」と話しました。点滴もしないことに驚くと,「ベッドの上で,点滴で生きている人生なんて,何の意味があるのですか」と、逆に質問されました。スウェーデンで終末期高齢者に濃厚医療を行わない最も大きな理由は,このようなQOLを重視した人生観が形成されているためだと思います。また、終末期高齢者に人工栄養を行うのは、非倫理的(老人虐待)という考えもあります

 

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